優待ジャーナル

株主優待を、金額・日付・内容で見比べる。

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2026年、株主優待が「デジタルギフト」に移行中。多くは金額そのままで、変わるのは受け取り方。

情報の取得日:2026年9月20日

QUOカードや自社製品を送っていた会社で、「デジタルギフト」に切り替える例が増えています。

多くの場合、金額は変わりません。 変わるのは受け取り方です。

優待を受けるには、自分で手続きをする必要があります。 案内が届いたら、Webサイトを開き、交換先を選び、期限内に手続きをします。手続きをしないと、受け取れません。

この記事では、7社の適時開示を読み比べて分かったことをまとめています。


この記事で扱う7社

コード社名いつから何が変わるか
9644タナベコンサルティンググループ2026年9月末基準〜QUOカード → デジタルギフト
5184ニチリン2026年12月末基準〜QUOカード → デジタルギフト
2170リンクアンドモチベーション2025年12月末基準〜QUOカード → デジタルギフト(その後、QUOカードも選べるようにした)
4020ビートレンド2025年12月期〜導入時からデジタルギフト
4616川上塗料2025年11月末基準〜導入時からQUOカードPay
246Aアスア2026年12月末基準〜デジタルギフトのシェア型
2501サッポロビール2026年12月末基準〜自社グループの電子クーポンを新規導入

各社の詳しい内容は、それぞれの記事にあります。


1. 多くの場合、金額は変わりません

ニチリン(5184)は、開示に次のように記載しています。

株主優待の品目について、従来のQUOカードを廃止し、デジタルギフトに変更いたします。(優待品目以外の制度内容および判定基準に変更はございません。)

タナベコンサルティンググループ(9644)も同じで、4つの株数区分の金額はそのままです。

リンクアンドモチベーション(2170)は少し違う形です。 2023年2月に優待を廃止し、2025年にデジタルギフトで再導入しました。そのときの金額は、廃止前(2021年拡充後)と同じでした。

つまり、「デジタルギフトになったことで優待の金額が増えた」わけではありません。 多くの会社では、金額は据え置きで、受け取り方だけがデジタルに変わっています。

※増額と同時に切り替える会社もあります。ビートレンド(4020)は200〜999株の区分を新設し、その区分の株主は3,000円分から6,000円分になりました。リンクアンドモチベーション(2170)は2026年12月末分から10%増額します。ただし増額とデジタル化は別々の判断で、デジタル化そのものが増額を意味するわけではありません。

2. 受け取り方が変わります

紙のQUOカードは、封筒に入って届きました。デジタルギフトは、届いた案内をもとに、自分で手続きをします。

手順は、多くの会社で共通しています

  1. 案内(紙)が郵送で届く
  2. Webサイトを開いて、交換先を自分で選ぶ
  3. 交換先のコードを受け取って使う

期限があります

ニチリン(5184)は、期限を日付で示しています。

毎年3月下旬に発送する配当関係書類に「株主優待のご案内」を同封いたします。(中略)選択期限(毎年6月末日)を過ぎた場合は受取手続きができなくなるため、期間内にお手続きくださいますようお願いいたします。

タナベコンサルティンググループ(9644)とビートレンド(4020)も、期限を過ぎると受け取れないと明記しています。

選択期間を経過した場合は受取手続きができなくなりますため、選択期間内での手続き完了をお願いいたします。(9644)

選択期間を過ぎた場合は受取手続きが出来なくなるため、選択期間内の受取手続き完了をお願いいたします。(4020)

案内が届いてから期限まで3ヶ月ほど、という会社があります(5184は3月下旬に届いて6月末が期限)。引っ越しや長期の不在などで案内を見落とすと、期限内に手続きできず、受け取れなくなることがあります。

会員登録が必要な会社もあります

サッポロビール(2501)は、株主限定のWebサイトに会員登録したうえで、自分で電子クーポンを取得する形です。

当社株主様限定Webサイトに会員登録していただき、ご自身で電子クーポンをスマートフォン等の電子端末で取得し、ご利用いただく仕組みとなります。

このWebサイトは2026年中の開設予定で、詳細はまだ公表されていません(2026年9月20日時点)。

3. 「デジタルギフト」には2種類あります

同じ「デジタルギフト◯◯円分」と書かれていても、使える範囲が異なります。

①交換先を選べる型

複数の交換先から選べます。金券に近いものです。

②使える先がその会社のグループに限られる型

交換先が、その会社のグループに限られます。

★まとめサイトでは、どちらの型も「◯◯円分」と書かれています。 ですが、①は現金に近く、②はその会社のサービスを利用する場合にしか使えません。 株式を購入する前に、交換先の一覧を必ず確認してください。

※どの会社も「交換先は今後変更の可能性があります」と注記しています。 記事に並べた一覧は、各社の開示時点の予定です。

4. QUOカードPayは、紙のQUOカードとは別物です

交換先に「QUOカードPay」が並んでいることがよくあります。QUOカードPayは、紙のQUOカードとは別のサービスです。

ニチリン(5184)は、開示の注意書きに次のように記載しています。

「QUOカードPay」には発行日より3年間の有効期限がございますのでご注意ください。(中略)スマートフォン以外の携帯電話およびタブレットではご利用できません。(中略)「QUOカードPay」は、カードタイプのQUOカードとは異なるサービスです。カードタイプのQUOカード加盟店ではご利用できない場合があるほか、カードタイプのQUOカードの残高を移行、チャージすることはできません。

川上塗料(4616)は、優待の内容がQUOカードPayそのものです。

スマートフォンを利用したアプリケーション不要で使用できるデジタルギフトです。優待品として送付するQRコードをスマートフォンで読み込んで使用いただけます。なお、有効期限があります。

スマートフォンを持っていない場合は使えません。

5. 暗号資産を選べる会社もあります

2026年9月時点で、交換先として暗号資産を選べる会社は次のとおりです。

6. 紙のQUOカードを選べるようにした会社もあります

リンクアンドモチベーション(2170)は、デジタルギフトで再導入した3ヶ月後に、進呈品に紙のQUOカードを追加しました。

株主の皆様からの進呈品に関するご要望やご意見を踏まえ、進呈品にQUOカードを追加いたしました。これにより、幅広い株主の方への利便性向上を実現いたします。

ただし、紙を選ぶと発送時期が遅くなります。

選んだもの6月末確定分12月末確定分
デジタルギフト9月下旬翌年3月下旬
QUOカード(紙)12月末〜翌年1月上旬翌年6月末〜7月上旬

紙のQUOカードを選んだ場合、発送時期は約半年遅くなります(同社の株主優待ページに明記)。

7. 1人当たりの金額が決まっていない形もあります

アスア(246A)の「シェア型」は、優待の原資を、基準日時点の対象株主の数で割る方式です。基準日が過ぎるまで、1人当たりいくらになるか決まりません。

同社の実績では、試算段階の609名・32,841円が、確定で1,519名・13,167円になりました。優待を目的とする株主が増えるほど、1人当たりの金額は減ります。

これもデジタルギフトで進呈されますが、1人当たりの金額が基準日まで確定しないため、「◯◯円分」と事前に示せないという点で、ほかの6社とは異なります。(詳しくはこちら)


まとめ

  1. 多くの場合、金額は変わりません。 変わるのは受け取り方です
  2. 案内が届いたら、期限内に必要な手続きを行ってください。 期限を過ぎると受け取れません
  3. 「デジタルギフト」でも、交換先を選べる型と、使える先がその会社のグループに限られる型があります
  4. QUOカードPayは紙のQUOカードとは別物です。スマートフォンが必要です
  5. 紙のQUOカードを選べる会社もありますが、発送時期が遅くなることがあります

注意しておくこと


出典

各社が公表した適時開示および株主優待ページ。個別の出典は、各社の記事に記載しています。

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